君と、世界の果てで
陸に、触られた。
キスをされた。
体のあちこちに。
何か足りないものを探してるみたいに。
あたしは耐えた。
怖かったけど、陸の好きにさせたかった。
やがて陸は、手を離して、また泣いたの。
「やっぱ、ダメみたいだ……
ハハ、こんないい女でも、ダメか……」
ボロボロと、陸の綺麗な目から涙が溢れて。
あたしは自分の無力さに吐きそうになった。
「深音……お願い」
「何?」
「殺して……」
「え……」
「俺を殺してよ、深音……」
陸はあっという間にあたしを持ち上げ、自分が下になった。
星の輝きを写したような銀髪が、さら、と音を立てて流れてた。
でも、彼の瞳には、一粒の光もなくて。
代わりに涙が、月の光を反射してた。
陸はあたしの手をとって、自分の首にあてた。