君と、世界の果てで


さぁ。


明日は土曜日だ。


久しぶりの、フリーの休み。


この部屋を片付けちまおう。


帰りにスーパーで、ダンボールをもらってきたから。


深音の荷物を入れて、全部送ってやろう。


さて。


まず、ミシンと教材類だよな。


あいつ、ちゃんと進級できたのかな。


あとは……服だろ。下着だろ。



「……」



意外と少なかったな……。


すぐ、済んでしまった。


何で、こんな事に1ヶ月弱もかかったんだ。


忙しかったとはいえ。


あいつ、怒ってるかな。


いやいや、怒りたいのはこっちだから。


ずっと、騙されてたんだし。


……本当に、そうだろうか。


陸の自殺の原因がショックで、それを深音を憎む事にすり替えてしまったのではないだろうか。


向き合いたくなかったから。


真正面から受け止める勇気がないから。


あの日外した陸の指輪は、結局捨てられず、しまってある。

< 445 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop