君と、世界の果てで


「楽しみですね!

では、曲に行きましょうか。

今年最大のヒット曲、“Dear you”。

作詩作曲は翼さんですね?」


「はい」


「本当に素敵なラブソングですが、どんな想いで書かれたんでしょうか?」



悪気は無い、若い女性らしい質問に、苦笑してしまう。



「……好きな人への想いを、素直に書きました」


「その方がうらやましいですねぇ!

昔の彼女とか?もしかして、今の恋人?」



答える前に、ガラス窓の前でマネージャーが腕でバツを作った。



「恥ずかしいんで、勘弁して下さい」


「かーわーいーいー。では、お聞き下さい。

WORLDS ENDで、“Dear you”」



今年も、冬が来た。



あの駅前は、今もイルミネーションをしているみたいだ。



今日泊まるホテルから見えるかな。



君を好きだと気づいた、あの場所。



君の金髪を飾り付けた、光達が。



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