黒姫

地味に遠い自分の席に辿り着いて、一瞬瑞姫の脳がフリーズした。
すぐに活動を再開した脳は、なんとか目の前の状況を飲み込んだ。


机に今まで通り、落書きくらいはされているだろう……と考えていたのが甘かった。

落書きすら見えない程の、ゴミ、虫の死骸。

消しゴムのカスや、悪口の書かれた紙切れは払えばいいだけだ、あまり気にならない。
正直虫の死骸も払ってしまえば良いだけの話で、そんなのはまだ甘い嫌がらせだ。

ただ、問題は生ごみ。
野菜の切れ端ならまだ良いものを、あろうことか肉片が混じっていると、流石に対処に困る。

食物の無駄遣いはやめましょう、と現実逃避を促すテロップが脳内を過ぎった。

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