流れ星☆彡
気付いたら二時間近く経っていて……



「寒い」



10月も半ばをすぎると、夜は少し冷え込むようになってきた。


まだ帰ってこないのかな。



「どうしよう」



携帯のディスプレイに優太の名前を表示させる。


ボタンを押そうかどうかを迷っていると……


階段をあがる足音と、男の人の話し声が聞こえてきた。


この階の人かな。


玄関に座っていたら、怪しい人だと思われないかな。


その足音がこの階にやってきたみたいで……



「絢華?」


「えっ!?」



まさか自分の名前を呼ばれるなんて、思ってもいなかったから、かなり驚いてしまった。


顔を上げるとそこにいたのは……



「優太」



と、たぶんお友達。



「俺、今日無理だって言ったじゃん」



怒ってる。



「ごめんなさい。でも、今日優太の誕生日だから、プレゼントだけでも渡したくて」


「……」


「ごめんね、これ」



“おめでとう”と言いながら優太に手渡してから……



「じゃ、おやすみ」



そう言って、その場を駆けだした。
< 30 / 404 >

この作品をシェア

pagetop