たぶん恋、きっと愛
ぎゅうっ、と昌也に抱き締められたまま、雅は。
ええぇぇ…と。
魂が抜けていくような脱力感。
「…あの、昌也さん?」
そっと腕から脱け出しながら、顔を覗き込むように見上げたけれど。
昌也の、あまりにも真剣な視線とぶつかって、思わず目を逸らせた。
「…いつから?」
「え?」
「いつから凱司さんに手込めにされてるの?」
「…手…込め……?」
あまり聞かない単語に。
だいたいの意味はわからなくないまでも、つい首を傾げた。
「んな事するわけねぇだろが」
頭痛薬を自分で取り出して、飲み込んだ凱司が、キッチンに並んだままのブルーベリーを一粒、口に放り込んだ。
「雅、昌也こっち連れて来て座らしとけ」
「はい」
昌也の手を取り、雅は。
困り顔のまま、囁いた。
「なにも、してないですから」
ほんとに、なんにもしてないですから、と雅は繰り返すけれど。
昌也は信じた素振りすら、見せなかった。