たぶん恋、きっと愛
「ごめんなさい、あたし、昌也さんが来るって知らなくて…」
凱司さん起こすつもりが一緒に眠っちゃって。
昌也に椅子を勧めながら、恥ずかしそうに言う雅の横から。
ノートが三冊、ぶっきらぼうに差し出された。
「今年の決算」
ノートを受け取り、いい加減パソコン覚えてくださいよ、とページをめくり出した昌也を不思議そうに見つめ、凱司を見上げた。
「決算って、なあに?」
「会社の…金の動きのまとめだな」
「……会社?…脱税?」
「……どんだけ俺をいかがわしい奴だと思ってんだお前…」
「…だって」
雅を座らせ、自分も座りながら、凱司は煙草に火をつけた。
「この赤いの、こんな赤い癖に経理士でな。ウチの仕事やってんだ」
「なのに凱司さんは一樹くんの留守を狙って雅ちゃんを手込めに…」
「してねぇっての」
ノートを見ながら呟いた昌也を小突き、玄関のドアが開いて閉まった音に、眉を跳ね上げた。