たぶん恋、きっと愛
「…ぅ」
不意に、雅が口元を押さえたのは。
昼休みが終わったこの時間に、担任と英語教師と共に保健室へと行く途中の事だった。
「…どうし……」
たのか、と訊く間もなく、あまりに真っ白な顔色に、手を差し延べかけた。
カタカタとバランスを崩してその場に膝をついた雅が、一気に呼吸を激しく乱した。
「雅さん!?」
口元を押さえたまま、硬く縮こまるように崩れた雅のまぶたに、毛細血管が青く浮き上がる。
「須藤雅!? どうした!?」
尋常ではない。
明らかに震えている手を、思わず握り締め、膝に抱え上げた。
「…だっ…いじょ…ぶっ…」
激しい息遣いの中、途切れ途切れに発音するが、唇はますます白く、時々込み上げるのか、友典の手を振り切って口元を押さえる。
きつく寄せられた眉は、よほど耐えているのか、ひどく苦しそうで。
まるで友典も教師も居ないかのように、体を硬く小さくして、怖いくらいの息遣いの合間に、小さな悲鳴を混じらせた。