たぶん恋、きっと愛
頭は打たなかったか、まず訊かれた。
友典を突き飛ばすように退かした、保健医に。
真剣な目をした保健医は、硬く縮こまる雅の腕を無理に引っ張り、脈を取る。
先に来ている柳井までもが、心配そうに身を乗り出していた。
「大丈夫」
はっきりと保健医は口にするが、友典には到底信じられず、眉間の皺を深くした。
「須藤さん、聞こえる?大丈夫だから、口にコレ当てて」
手早くどこかの棚から持ち出してきた紙袋を、雅の口元に宛がうが、ぼろぼろと涙を溢す雅は、動かなかった。
友典は割り込むように保健医から紙袋を引ったくると。
力任せに口元にあたる手を引き剥がし、膨らませた紙袋をあてがった。
「うん、宇田川くん、持っててやって。吐く息を吸わせてね」
息、し過ぎただけだから。
掴んだ雅の手の冷たさが、怖いくらいに友典の手を握りかえした。