たぶん恋、きっと愛
脈打つような鈍痛はあるけれど。
貼られた湿布の成分が、早くも浸透してきたのか、熱を持ち始めていた友典の左手首は、楽になった気がする。
「…宇田川くんは一応須藤さんのお兄さんになるのよね?」
「………」
声に出さないまま、頷いた。
一応、そうだ。
うちの里子な訳だから。
「少し、やりすぎたわね?」
覗き込むような視線を、不貞腐れたように逸らし、友典は頷きはしなかった。
「あんなに血だらけになるまで殴るのをね、傍で見ているなんて、女の子には耐えられないわよ?」
諭すような口調に、友典の拳が握られた。
柳井の無理な行動に怯えたのは確かだが、その血に怯えなかったか、と言えば、そんな事もないはずだ。
「須藤さんの症状は、過呼吸って言ってね、原因は色々だけど、強いストレスを感じた時にも出やすいのよ」
強い、自責の気持ちと、柳井に対する怒りとが、友典の拳を更に強く握らせた。