たぶん恋、きっと愛
そっくりだ、と雅は不思議な思いで友典を見上げた。
頭に置かれた手は穏やかで、宇田川章介と似た匂いがする。
凱司さんを愛して下さい、と呟いた時の、宇田川章介に。
「どうして………」
鷹野さんと一緒にいようとすると、皆が不安そうな顔をするんだろう。
あんなに優しい人なのに。
凱司さんは、鷹野さんと一緒にいたらいけない、とは言わないのに。
抱かれてはいけない、とは言われたけれど。
もう、雅にもわかっている。
鷹野一樹が、時折、自分を欲しがるのを。
それが、好意からくる欲求なのか、単に男女というだけのものなのかは、解らない。
が、時折…例えば、昨日の“上書き”の時のように。
怖いほどに、求められているのが、解る。
「どうして、鷹野さんにあげたら駄目…なんですか?」
凱司さんが駄目だと言ったから?
それとも、私が綺麗な体してないから?
「………え?」
「友典さん、あたし……鷹野さんが欲しい時には、あげてもいい」
それで、鷹野さんが少し幸せになるなら、むしろ、一緒にいたい。
照れることなく、まっすぐに友典を見上げる目は、少しも迷いなどない。
その目に射抜かれ友典は、内臓を鷲掴みにされたような恐怖を、覚えた。