たぶん恋、きっと愛
それは、どういう事だ、と口を開きかけた友典は、揺れなくなった雅の目に、呑み込まれたように唇を噛んだ。
無言で見つめ合う2人を、周りがどう見たのか、ざわめきが少し引く。
「………そ、れは」
ようやく、絞り出すように声を出した友典は、警鐘のような心拍数と、胃を握られたかのような気分の悪さに、雅を睨み付けた。
「…凱司さんに、全てを世話になっていて尚………そう、言うんですか…?」
雅の頭から手を除け、抑えつけた低い声で、ゆっくりと問う。
「住む場所から…身の回りのことから…金銭面から……。全て困ることのないように」
細かく手配してくれている凱司さんを、なんだと思って……。
その為に動いている宇田川章介を、なんだと思って…。
友典の目に、激しい怒りが浮かぶ。
握りしめた手のひらに、白く爪が食い込んだ。