たぶん恋、きっと愛


「…凱司さん」

呟いてみて、その影響力の大きさに、思わずおののいた。


あんなに、友典を怒らせるほどに。

あんなに、その父の信頼を受ける凱司の、絶対的な存在感。


何をしに行ったのか知らされず、少し帰りが遅くなる程度の事が、こんなに寂しく思える。



「………凱司さん」


家に帰れば。

あの家に帰れば、友典は来るかも知れない。

来て、凱司に全て丸投げしろと、言うかも知れない。


自分の立場をわきまえて、凱司だけを信頼しろと、言うかも知れない。



「それしたら…きっと凱司さんは…友典さんの言うとおり…」


何もかも面倒を見て貰っているから、自分の意志とは別のところで自分を投げ出した。

って。


「……そう、思うでしょう?」



それから、凱司さんは優しいから。

あたしを泣かせないように、どうやって捨てるか、悩むでしょう……?



 
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