たぶん恋、きっと愛



ちらほらと、再び客が入り始めた。

アフタヌーンティーにはちょっと遅い、時間。


マスターの作るケーキとタルトは、着々と減っていく。

今日のタルトは、夏蜜柑。


綺麗にスライスされた鮮やかな果肉の上に、ジンのゼリー。

ケーキは、ピーナッツバターの、スクエア。

プラムのジャムが、マーブル状に模様をつけている。



淡い紅茶に、タルト。
エスプレッソに、スクエア。


そんな取り合わせが多い気がした。


雅は。
綺麗な洋菓子が、綺麗な皿に乗り、綺麗な飲み物が綺麗なカップに注がれるのを、ぼんやりと見ていた。



よくよく考えずとも、ここにいたって、仕方ない。

鷹野が道の向こうにいるのは解っているけど、訪ねていく勇気はない。



訪ねて行った時に。

女性に甘く囁いていたりしたら?


いくら仕事と言えど、こんなに不安定なのだから、泣かない自信なんか、なかった。
 


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