たぶん恋、きっと愛
「今日、お仕事休むって…さっき電話してたけど…ちょっと様子見てきます」
ふと時計を見上げた雅も、気にかかってはいたのか、ストールに巻き込まれた髪を引き散らせると、唇に指を当てた。
リビングを出て行く雅を、見るともなしに見送り、凱司は煙草に火をつけた。
鷹野も、よく笑うようになった。
最近、雅に似てきた気すらする。
きっと、本気なのだろう。
本気で、雅を好きなのだろう。
「やれれば…いいんだろうけどな…」
鷹野が本気で欲しがる、唯一のものを、凱司はやらない。
大抵の事はしてやれるし、大抵のものは与えてやれる。
だけど。
雅だけは、まだ手放せない。
まだだ、と。
強く、思うのだ。