たぶん恋、きっと愛
「…鷹野さん、大丈夫かな」
小さくなった声は、それでも友典の耳に届いていた。
やや俯いてしまった雅が、青に変わった信号を、渡らない。
ちら、と他人の視線がいくつか向けられるが、雅は動かずに、その後ろに立つ友典もやはり、動かないままだ。
「すごく…つらそうだった」
「…………」
友典の眉が、寄る。
そんなに、鷹野一樹が心配か、と。
あまり長くはない青の時間が、過ぎていく。
もうすぐ再び点滅してしまうだろう。
「…ごはん…」
「…………」
独り言、だとは思う。
だけど、不安を口に出す雅に、何も言ってやれないことと。
最近はわざとらしいほどに鷹野一樹の話をしなくなっていたのに、不意に溢れ出した彼への心配に、友典もまた、割り切れない思いに俯いた。
「ちゃんとスポーツドリンク買って貰えたかな…」
声に、涙が混じる。
雅は、たたずんだまま、それきり黙り込み、何を思うのか、指先で目許を何度も、こすった。