たぶん恋、きっと愛


「…雅?」


あまりにも消沈した様子で、腕をなぞる雅が、泣いているような気がして、凱司は俯いた雅の顔を上げさせた。



「鷹野なら、大丈夫だぞ?別に死ぬようなもんじゃない」

「………そうだけど」



身長差は、ありすぎるほど。

真上から見下ろす凱司には、リボンを結んだ襟の中に、プラチナのネックレスが相変わらずついたままなのが、よく見える。



「……鷹野さんを心配すると…友典さんの機嫌が悪くなるんです」

「………」


顔を上げられたまま、真下から見上げる雅との距離が、近い。


いつこんなに接近しただろうか。

左腕をなぞる指は、凱司の袖を掴み、ひどく不安げな目は、まっすぐ凱司の灰青の目を見つめていた。



「何も言わないけど…そんな事より凱司さんが伝染らないように心を配るべきだ、って…言われた気がして…」


「……伝染りゃしねぇよ」


基礎体力が違うだろうが、と、小さく吐き出すように呟いた凱司の。

雅のあごを上げさせていた指先が、その頬を撫でた。
 


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