たぶん恋、きっと愛




終わってしまえば、すぐに冷静さを取り戻すのが、男の性。

逆に、余韻に浸るのが女の性。




「………頭…痛い」


だが、雅は、腹部に吐き出されたものを拭き取られる間にも、甘さの欠片もない事を呟いた。



「…脈打ってるか?」


手足を投げ出したまま、半ば茫然と凱司を見つめていた雅が、うん、と小さく頷いた。


呼吸のせいだろう、と思う。

必死に声を押し殺せば、息も止まる。
押し殺せなくなれば、呼吸は急激に、声を乗せて早くなる。


雅は、立て続けに二度、上り詰めた。

めまぐるしい呼吸の変化に、酸素過多と酸欠とを繰り返したのだと思う。



「少し、眠れ」



細い腰が、急に弱々しいものに見えて、凱司は。

力も魂も抜けたような雅の指が、自分の左腕をなぞるのを、哀れな思いで、見つめた。
 



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