たぶん恋、きっと愛


「…あたま…痛い」

「ああ」


繰り返した雅は、じわりと涙を浮かべた。

汗で、髪の貼り付いた額。

凱司の左手首をなぞっていた指が止まり、雅は嗚咽しそうな呼吸を宥めようと、震えるように深呼吸を繰り返した。



「雅、大丈夫だ。何も変わりゃしない。怖がるな」


意識が飛びかける程に混乱し、堕ちる寸前。

雅は自分のプラチナを握り締めた。


鷹野を呼ぶのかと、凱司は一瞬緊張したが、結局は、声に名が乗ることはなかった。

冷静になるにつれて、徐々に不安が増してきたのだろう。


雅は凱司の指先を握り締めると、一度だけ、しゃくりあげた。




「…頭、…痛い、の」

「ああ」


繰り返す、応答。

凱司は、雅の隣に身を横たえ、その貼り付いた髪を、掻き上げてやる。




「何も、変わりゃしない」



嗚咽の洩れだした唇を宥めるように掠め、大丈夫だ、と。


強く、頭を撫でた。
 



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