たぶん恋、きっと愛


吸い込まれるように、眠りに落ちたのか、凱司の左手を握ったまま、雅の呼吸が寝息に変わる。

しばらく眠れば、頭痛も抜けるだろう。


凱司は、時折混じる嗚咽を気にしつつも、雅の髪を撫で続けた。



雅に対する後悔は、とうに、あるけれど。

だが、鷹野に対する後悔が、うんざりするほどに強く残ったことに、眉間に深くしわを刻んだまま。

雅の素肌に残してしまった赤い痕を、撫でた。



あいつは気が付くだろう。
高熱が引けば、すぐにでも。



「どうせ……これじゃあ…くれてやれないんだ…」


鷹野には、それなりに情がある。
傷つけていい存在でもない。


出来うる事柄ならば、上手く運べるようにしてやりたいとは思っている。


金のこと。
兄貴のこと。

雅の、こと。




「…なあ雅。お前…どうしたい?」


涙の跡の残る目尻に、唇をあてる。

すっかり眠りに呑み込まれたのだろう。


晒された肌が、汗で冷えていくのが寒かったのか、雅は手足を小さく折り曲げながら、無意識に凱司に、すり寄った。
 



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