たぶん恋、きっと愛
雅が目を覚ましたのは、正午を過ぎた、頃だった。
目を開けて、あまりに近かった凱司の胸の刺青と、枕にしていたらしい左腕。
自分の腰を抱く右腕とに、どきりとした。
じわじわと、不安定な熱が込み上げる。
素肌の体温を、素肌で感じる距離に、雅は思わず息を呑んだ。
気怠く鈍い重さは、全身がまだ休ませてくれと言っているようで、今更高鳴る鼓動に、雅はひどく戸惑った。
後悔ではないと、思う。
“初めて”でも無いくせに、初めてのような感じが、するだけだ。
目の前の、凱司の刺青。
体温。匂い。鼓動。
律動と快感が、初めて溶け合ったようで、押し流される事に不安も不快も感じなかった事実が、じわじわと熱く込み上げた。
凱司は眠っているのかも知れない。
腰を抱く腕が、重い。
雅はそっと頭を上げ、できる限りゆっくりと、その腕の中から這い出した。