たぶん恋、きっと愛


鷹野の熱が引き始めたのは、友典に送られて雅が帰り、更に深夜になってからだった。


その間、ただの一度も部屋を覗きに行かなかった雅だが、眠りはごく浅かったようで、何度もリビングに出てきては、ひとくち、スポーツドリンクを飲んだ。


暗い廊下を覗き、右の凱司の部屋も、左の鷹野の部屋も静かなのを、何度も確かめた。


冷蔵庫を開ける度に目に入る、帰りにマスターが持たせてくれた、金属の型。

まだ温かいので、帰ったら冷蔵庫にいれるように言われた、シナモンの入ったミルクティのプリン。


口当たりが良いように、と三度も漉して作ってくれたプリンを、雅は持て余した。



鷹野に、会えない。
鷹野に、言えない。

どうやって、食べさせて上げれば、気まずくならないだろうか。



ここに居てもいい安心感が欲しくて。


口だけでは心許なく感じて。

体の繋がりを求め、甘え委ねてしまった事を。


彼の立場を守ろうと、自分の位置を定めた、事を。



…どう、言えばいい?
 



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