たぶん恋、きっと愛


「…凱司さんが、捜してくれてるんだと思う。早く……行かないと」


きっと、心配かけてる。
きっと、心配してくれてる。



「それ、返してください」


外された、プラチナ。

アクセサリーはあまり付けない雅が、唯一外さない、ネックレス。

息吹の指に絡め取られたままのそれを、指差した。



「……なんで、俺が…返さなきゃならない?」

勘違いするな、俺は今からでもあんたを刺せる、と。


手放さないナイフを握り直す息吹に、雅はため息をついた。



「…刺しても…いいですよ?」


だから。
それ、返して?


血の気の引いた顔であるのに、薄く笑顔すら浮かべた雅を、愉しそうに。

自分の上に乗ったままの雅の、読み取りにくい感情を、探るかのように。


目を眇めては、面白そうに覗き込む、息吹の、目。



「あんた……そういう目ぇ出来るなら、最初からすりゃあ…いいのによぉ。…いい女じゃねぇか?」



まるで、キチガイみたいで。
 



< 811 / 843 >

この作品をシェア

pagetop