たぶん恋、きっと愛
凱司さんは、あたしを。
すごく大事にしてくれて。
きっといろいろ、我慢してくれてた。
あたしは凱司さんを好きで。
好きに、なっちゃった気がして。
「1度だけ、“好きな人”と…してみたかった…」
ゆっくりと体の向きを、鷹野に向け、弱々しく笑う。
「でも、ね」
あたし、鷹野さんがあんなに怒るなんて、思ってなくて。
嫌われちゃうのが、あんなにつらいと、思わなくて。
怖くて。
戻れないのが、怖くて。
すごく怖かったのに、いつもみたいに凱司さんに縋れなくて。
きっと凱司さんは、あたしを守ってくれようと…してくれるだろうから。
鷹野さんの事も、守ってくれるだろうから。
みんなも、不愉快にならずに
いてくれるだろうから。
凱司さんは。
…好きだなんて言っちゃって、縋っちゃったあたしを、可哀想に思って…くれたろうから。
鷹野さんはもう、いなくなっちゃっ…て……
でも…
…も、何にもいらないから……
だから……
たどたどしく、小さく、説明のような、独白のような。
取り留めのあるような無いような。
車から降りようとして、その場に崩れそうになった雅を。
抱き留めた。