たぶん恋、きっと愛
「ちょっ…雅ちゃん!?」
鷹野さんなんか、知りません!!
と、叫んだのだろう。
雅はくるりと、助手席のシートにうずまるように、背を向けた。
「ごめんって!雅ちゃん!」
だって凱司と寝たの、雅ちゃんじゃないか!
離れて行っちゃったの、雅ちゃんじゃないか!
と、喉まで出掛かるが、鷹野はガチャガチャとドアを揺さぶる。
後ろ姿の首筋が、あらわになるほどの、髪の長さ。
縮こまるように背を丸めると、尚更だ。
泣き出したのか、震える肩が、鷹野を焦らせた。
「ちょっと雅ちゃん!ひとりで泣くとかズルいよ!」
慌てて出した携帯のキーを、押した。
車の鍵を借りなければ。
広いガレージの入り口の辺りで不意に鳴り出した着信音に、弾かれたように振り返れば。
あわあわとポケットから携帯を取り出した宇田川章介と。
どうして鳴るようになってるんですか!と小さく責める由紀。
きつく眉をしかめた友典の頭に手を置く、いつもと変わらないように見える凱司とが。
気まずそうに、立っていた。