たぶん恋、きっと愛
完全に逃げ場を失わせたばかりでなく。
まさに体の重なるような姿勢に、どきりとしたのは、鷹野の方だった。
「たっ…鷹野さん…痛っ…」
「ごめ……ちょっ…待って」
天井に、頭がつく。
鷹野の髪が、雅の視界を覆った。
ごそごそとシートの横に腕を伸ばした鷹野は、背もたれを倒し、ようやく息をつくが、はたと 動きを止めた。
腕の間で、おとなしく仰向けに倒れた、雅が。
短い髪を散らして、堪える気もないかのように涙をこぼすのを、間近で見てしまった。
「雅ちゃ……」
ずくり、と。
体の中心に、杭が。
氷で出来たような、焼けた鉄で出来たような杭、が。
「…鷹野さん…鷹野、さん…」
もう…やだ。
もう、無視しないで。
あたし、怖かった。
怖かった。
鷹野さんいないの、怖かった。
たがが外れたかのように、繰り返す雅の声に。
この杭は、抜ける事はないだろう、と。
ひどく痛むような感覚に。
そう、感じた。