たぶん恋、きっと愛
スクリーンの中の登場人物は。
金色の髪に、薄墨の蛇。
青みがかった灰色の目をした青年を中心に。
あちらこちらで、様々な思いを抱えている。
観客のつもりでいた少女は。
彼の作り出す世界に、恋をした。
彼の世界を壊さぬように。
彼に嫌われないように。
甘く大きな、愛に溺れた。
「……息吹に……盗られたと思ってた…」
雅の手のひらに乗せられたプラチナは、多少もつれて丸まってはいたけれど。
「あたし、これがあれば…大丈夫だと…思って……」
鷹野さんが、そばにいると思った。
車から降りそうで、なかなか降りてこない雅を急かすでもなく、その場に膝を付いた鷹野は。
ゆっくりと、その手から、たらりとした冷たい金属を、つまみあげた。
これを首に付けた時は、いつだったろう。
そうだ、靴擦れを起こした足を、ペットボトルの水で、流したっけ。
大きなアザラシのぬいぐるみを買って。
恋をするのは怖い、と。
あの辺りから。
無くすわけには行かなくなったんだ。