正夢絵本
一応一通り人物観察もしたことだし帰るかと沙耶は改札口の方へと向かった。

ちょうどその時だった。


ガガガガッガシャーン！！


「きゃぁぁぁぁぁぁ！！！！」


ものすごい大きな音がしたかと思ったら、女性の悲鳴が聞こえた。


何かと思い振り返ると悲鳴はさっきの三人の方からだということが判り、野次馬精神でその現場えと向かった。




「だれかはやく救急車呼べ！」

「おい！早くこれ退かすの手伝ってくれ！」


人々が慌ただしくしているなか、沙耶は皆が集まっている中心を覗いた。


「っ！」


沙耶が目にしたのは血まみれのさっきの痴漢の男性だった。倒れた男性の上には自動販売機が乗っていた。





「急にあの販売機が階段から落ちてきたんです！」


しばらくして駆けつけた警官に近くで目撃した女性が話をしている。


話によると階段で荷台に乗せた自動販売機を運んでいる最中に巻きつけておいたロープが緩み落下してしまい、運悪く真下にいたあの男性に襲いかかるかたちになってしまったらしい。

男性は駆けつけた救急隊によりタンカに乗せられ運ばれていった。
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