In the warm rain【Brack☆Jack3】
☆  ☆  ☆



 ここまで気持ちが波打つのは、本当に久しぶりだった。

 冷静沈着と言われていた自分が嘘のようだった。


「…まだなの…!」


 オフィスのデスクを、左手の人差し指でトントン、と叩きながら、ユイは苛々と呟く。

 あれだけ人員を増やした筈なのに、ミサトの行方はわかっていなかった。

 エイジとレンも朝から出掛けていて、まだ戻ってこなかった。

 その時、オフィスの電話が鳴る。

 ワンコールも鳴らないうちに、ユイは受話器を取った。
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