In the warm rain【Brack☆Jack3】
 敵もすぐさま態勢を立て直し、激しい銃撃を仕掛けてきた。


「ミサト!」


 手近にいた敵を蹴散らしながら、エイジは言った。

 銃で応戦しながら、ミサトは振り返る。


「何?」

「乗り込んだはいいが、これからどうすんだ?」


 ミサトは手榴弾を一発、敵に向かって放り投げた。

 一瞬遅れて、爆発が起きる。

 その隙に、四人は銃弾を避けられる物陰に固まった。


「これからどうするかって?」

「またいつもの如く、か?」


 いつもなら、それぞれが自分の意志に基づいて個々に動く。

 エイジの問いかけに、ミサトはそうね…と考えを巡らせた。


「ここは船尾よね」


 小型ヘリから飛び降りて乗りこんだ位置は、軍艦の船尾 部分にあるだだっ広いヘリポートだった。


「…だな」

「普通船の中枢機関ってさ、エンジンと操舵室よね?」

「まァな」

「じゃ決まり」


 言いつつ、ミサトはもう一発、手榴弾を投げつける。
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