In the warm rain【Brack☆Jack3】
「あなたは?」

 ゆっくりと立ち上がり、ユイは真っ直ぐに男を見据えた。

 正面から対峙しないと、いざというときに素早く対処出来ない。


「俺は…元ホン・チャンヤーの構成員だった」


 ユイの表情が、微かに変わる。

 元、というのは、今はそうではないということ。

 少し前まで、ホン・チャンヤーはロンという男の裏切りによって前に2つに別れていた。

 この男は、ロンについていた側の人間なのだ。


「そのあなたが、今何故ここに?」

「ボスのロンがあんたにやられて、俺は路頭に迷ってた。そんな時、ここに拾われたのさ」


 だから、何なのだ。

 ユイは苛立ちを覚える。
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