In the warm rain【Brack☆Jack3】
☆  ☆  ☆



 さっきから断続的に爆発音が聞こえ、船の揺れが続いている。

 ミサトは無数の銃口が向けられる中、ゆっくりと口を開く。


「よくやった…アンタはいつも、そう言ってあたしの事を誉めてくれたよね、オヤジ」


 もう手榴弾も残ってはいない。

 手元にある銃の弾丸も、残り僅かだった。

 たったこれだけの武器で、この人数とやり合うのは無謀だ。


「よくやったと思ったからそう言っただけだよ、ミサト。だが1人で来るとは思ってなかったな」


 シュキの口調は穏やかだった。


「…他の連中には、ちゃんと笑って欲しいから」


 言いながら、ミサトは銃口をシュキに向けた。

 周りの戦闘員に、緊張が走る。
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