In the warm rain【Brack☆Jack3】
「クソ食らえだ」


 エイジは忌々しそうに呟き、そして戦闘員達に向かって叫ぶ。


「おい、お前ら! この船は沈むんだ、そして組織は無くなる…今この船から逃げ出せば、命は助かる!!」


 長い沈黙が、辺りを包む。

 戦闘員の一人が、一歩、後退った。

 そして、この場から逃げ出そうとする。

 だが次の瞬間、シュキの持っていた銃が火を吹いた。

 戦闘員は、その場に倒れる。


「シュキ!!」

「この場から逃げ出すのは、私が許さん」

「オヤジ! まだ分からないの!?」


 ミサトは叫ぶ。


「ジジイはこういうの、もう見たくなかったんだよ! こんなバカげた掟、作ったのはジジイじゃなくて、あんたでしょうが!!」


 ざわっ、と辺りが騒めいた。

 シュキは答えない。


「こんな掟さえなければ…シャンも…」


 ミサトは唇を噛んだ。
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