君と本気のラブゲーム


「……ここでいい?」


私は京佑くんを、天気がいい日はよく嘉乃と昼食をとる中庭の大きな桜の木の下に案内した。


今は勿論花は咲いていないけど。


春には、ものすごくきれいな桜を咲かせてくれるんだ。



「いいけど…。綺深、案外大胆だね」


「は?何言ってんの?早く座れば」


「うん」



ここは、他の木や背の高い花の植えられている花壇に遮られて、あまり他からは見えないような場所だ。


嘉乃がこの場所をお気に入りなのは、そのせいもある。


絶世の美少女はモテ過ぎるから、出来るだけ目立たない場所で昼食を取りたいらしい。


まあ、普通に教室で食べたりもするけど。


でもそうすると、やっぱり呼び出しなんかもされる。


付いて行くまでもなく、嘉乃は教室で全部断るんだけどね。





「あ、ヤバ、もうアイスとけてる」


逆ナンやら名前呼びの言い合いやらで食べ損ねていたアイスは、表面はほとんど液体になっていて。


アイスも丸ごとコーンから落ちてしまいそうだった。



「早く食べなよ。どろどろになるよ」

「分かってるっ」


私はそう言って、パクッと慌てて口に運んだけど、遅かった。


たらり、と一筋、コーンを伝って私の手に溶けたアイスが零れ落ちてくる。



「うわ、最悪。べたべたになるー」

「馬鹿だね。早く食べないから」




そう言って、京佑くんは、アイスを持った私の手を引き寄せて。



溶けたベリーの甘酸っぱいアイスの付いた、私の指を。






……口に、運んだ。





「っ!?」



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