君と本気のラブゲーム
「じゃあ、俺たちは先にいきますね」
そう言葉を残して歩き出したメガネイケメンさんに手を引かれて去っていく和風美人さんは。
恥ずかしそうに頬を染めて。
……なんだか幸せそうな顔をしていた。
「ちょっと、綺深」
バタン、と音がして屋上のドアが閉まるのと共に、グイッと腕を引かれた。
私は腕を掴まれたまま、入口の裏の壁際まで引っ張って来られる。
「え、何?」
背中は壁に付いている。
目の前には、京佑くん。
いきなりの行動に、頭が付いていかない。
「ここなら誰か入ってきても気にならないでしょ」
「は?」
確かに、入口からは死角だけど…。
って、私はそんなことを訊いてるんじゃない!