君と本気のラブゲーム
「…はい?何か?」
閉めかけたドアをもう一度開いて訊き返す。
まさか呼びとめられるとは思っていなかったので、内心かなり驚きつつ。
「あ、いや…。あのさ、もしかして、ヒロの奴、何か企んでる?」
「え」
京佑くんの言葉に、私は思わず目を見開いていた。
た、企んでる、って…。
なんで早速ばれてるの!?
嘉乃には今回のゲームのこと、京佑くんに秘密にするようにとは言われてないけど、言ってもいいとも言われていない。
「……何のこと?企んでるとかって…」
だから、とりあえずしらばっくれることにした。
私は嘘がばれないかヒヤヒヤしながら、首をかしげて見せる。
「……本当に、なんもないの?」
「さあ…。私はわからないけど」
「そっか…」
渋々ではあるが納得したようだったので、安堵して思わず小さく息を吐いた。
「じゃ、じゃあ私はこれで」
さっさと退散しよう、そう思って作り笑いを浮かべつつ部屋を出ようとすると、突然京佑くんは椅子から立ち上がり、私のところまで歩いてきた。
「ど、どうしたの?」
予測できなかったその行動に戸惑いを隠せずにそう訊くと、京佑くんは何も言わずに私の手首を掴んでそのまま部屋に引き入れ、もう片方の手でドアを閉めた。
「ちょっ…っ!」