君と本気のラブゲーム

「大丈夫!!」

しかし私の指摘にも嘉乃は自信たっぷりに笑った。


「私はアヤのお兄さんに貰ってもらうから!!」

「~~~っっ!?」


はあああぁぁああ!?

兄貴!?

唐突に出現した兄の存在に、私は驚きのあまり声も出なかった。



「なんでそこで兄が出てくるの!?」

「だって、私も結婚したいもん」


驚いた私の言葉にも、しれっとそう言い放った嘉乃。

あー、そっかぁ、そりゃあ嘉乃だって結婚したいよねぇ……、なんて思わず納得しかけちゃったけど。

……いやいやいや!


「だからってなんで兄なの!?」

「だって、そしたらアヤは私とずっと一緒でしょ?」


な、何だって……!?

なんだかややこしすぎて、もしそうなったとすると私と嘉乃の関係をなんて言うのか分からないんだけど……。


私の兄は、確かに地元の役所に就職を志望している。

もし志望通りになれば、めったなことがない限り一生転勤なんてないだろうし……。


「私の弟も実家を継ぐから、ずーっと地元だよ」

「……何気嘉乃の希望通りの現象が実現できてて怖い」


確かに、それなら家同士のつながりもありつつ、ずっと地元で暮らせる。

嘉乃の実家は私の住居になるというわけ。

地元就職ってなれば兄は実家から勤務するだろうし、そしたら逆もしかり。

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