君と本気のラブゲーム
……って。
なに納得してんの、私!
「ていうか、そもそも私、嘉乃の弟くんとか会ったこともないんだけど」
会ったこともない人との結婚考えるなんてどうなんですか!?
「うん。だから、今日家に遊びに来て」
にっこり笑って上機嫌に言った嘉乃。
そんな嘉乃の様子にはやっぱり冗談めかしたところは少しも感じられなかったから、この突拍子もない嘉乃の願望が本気なのだと悟る。
「いや、遊びには行きたいけど……、今までも嘉乃の家には何度かお邪魔してるけど、弟くん、私が行くといつも遠慮して部屋から出てこないじゃん」
嘉乃とは、高校に入ってすぐに仲良くなった。
それから3年生になった今でも変わらず、私にとって一番の友達だ。
何度かお互いの家には遊びに行ったこともある。
だけど、そんな3年の間で弟くんと顔を合わせたことは一度もない。
ご両親や、嘉乃の妹の香苗ちゃんとは、何度か挨拶させてもらってるんだけど。
「今日は泊っていけばいいよ!ちょうど明日から休みだし」
……確かに今日は金曜日だけど。
「でも、こんなに急にお邪魔したら迷惑になるでしょ」
「大丈夫大丈夫!香苗なんかいっつも友達泊めてるし!」
「えー……?」
なかなか頷かない私にしびれをきらしたのか、嘉乃は不満げに頬を膨らませて、
「一体何が不満なの?」
と訊いてきた。
……いやいやいや。