君と本気のラブゲーム
「決まってるでしょ」
「なにー?」
本気で分からない、という顔をした嘉乃に、私はキッと眉を上げた。
「私は弟くんと結婚なんかしないから!!だいたい、弟くんにだって選ぶ権利ってものがあるでしょ?」
「そんなもの無いもん」
さらっ、と即答されて、言葉を失った。
弟くん、一体どんな扱いを受けて……。
「会ったこと無いんだよ?そんな人と結婚なんて考えられないでしょ?」
「……でも、会ったこと無いんだから、ないとは言い切れないじゃん。もしかしたら、会った瞬間にびびっと来ちゃうかもしれないじゃん。好きになっちゃうかもしれないじゃん!」
「そんなに都合よく恋が降ってきたら苦労しません」
私の言葉に、嘉乃は眉をしかめた。
そして、しばらく「うーー」と低く唸る。
「……わかった」
やがて、その低い声のまま嘉乃は頷いた。
「よかった、分かってくれたんだね」
「……半年」
「え」
「私たちが高校を卒業するまでのあと半年。それまでにアヤが恋しなかったら、諦める」
そう言った嘉乃の顔は固い決意に満ちていた。