ラピスラズリの恋人
織田さんの言う通り、図星だった。


今日はどこに行くにも瑠花の顔が浮かんで、教会や式場では彼女との結婚式を想像してしまっていた。


もちろんグアムには仕事で来ていると言う自覚はあるし、浮ついていたつもりは無いけど…


頭の片隅にはどうにも瑠花との事ばかり考えてしまう自分(オレ)がいて、ついつい笑みが零れていたのも事実。


ただ…


社員達の手前、周囲には気付かれないようにしっかりと気を引き締めているつもりだった。


あの相模ですら俺のそんな姿には気付いていないようだったのに、まだ数回しか会った事が無いにも拘わらずそれを見抜いた織田さんは、恐らく鋭敏(エイビン)なんだろう。


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