ただひとつ。Side Story
男の隣りには、ちょっと派手な女…。



化粧はしているけれど、俺はそいつを間違えることはない。



隣でキャッキャと喜んでいるのは…


間違いなく、

あの、『楓』だ。



…て、ことは…



やっぱりあいつだ。



「…あ、奥山くん。」


…しまった。


「…え?」




顔を上げた青山と、俺の視線とがぶつかる。




「…おす。」


こうなったら仕方がない。

無視するのも変だし…。





「見てみてっ。こんなにとったよ!」


楓は無邪気にお椀に入った金魚を俺に見せつけた。




1・2・3・4・5・6……



「おおっ、マジですげ~!」


「…でしょでしょ~?」


なぜか楓が得意げになっている。


「……ぷっ…。」



意外すぎる。


彼女はこんな小さなことで…


こんなにも喜ぶなんて。



「い~でしょ~!」





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