ただひとつ。Side Story
肩と肩がぶつかる距離……。



これはマズイ…。


俺はチラっと加藤を見た。



けれど彼女は気にする様子でもない。


呑気に大口を開けて、タコ焼きをほお張っていた。



……ここでちょっとふてくされたらかわいいもんなのに。


少しだけ、がっかりしてしまった。



それに比べると…



楓は、ほのかにいい香がする。



中学生のくせに…


香水をつけているらしい。



…どこにそんな金あるんだ。



ぼんやりと…


そんなことを思った。




「…よしっ。」


意気込んで俺はまた、金魚に立ち向かう。



…が、



見事に空回り。



「…和志下手くそ。」


呆れた顔して加藤は溜め息をついた。



さて、これはまずくないか?


せっかくのデートが台なしだ。




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