ただひとつ。Side Story
敵わないと思っていたその存在が、意外と身近にいたっていう…その事実が。



自分から話さないだけで、別に特別のような…、一目置かれるような存在ではないのかもしれない。




だから……



こいつらに、同じ空気を感じるんだ。



俺は横目でチラッと楓を見た。




……損な性格だな。



学校でもそうやって…普通にしてりゃあいいのに。




「ねーねー、おまえらって付き合ってんの?」


思い切って聞いてみた。



「まさか!ちがうよ~、ただ私が…」


「…こいつが失恋したから一緒に行く相手いないって無理矢理連れて来られた。」


「…そういうわけ。私あんま友達いないからさあ~。」




楓はそういいながらも…青山に見えないように、手元でピースサインを作って俺にみせた。



「……ふ~ん。」



目が合うと、楓はニヤリと笑った。



…女って…コワイ。






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