ただひとつ。Side Story
「…デート?これって、デートだったの?」


「……?違うの?」


「無理に付き合ってくれたんじゃなくて?」


「なんでだよ。」


「だってさっき…。」


「…ああ!青山達に言われたこと?あれはお前が否定したからそれに合わせただけで…。」


「………。じゃあ…」


「最初から、デートのつもりだったけど。」


「…嘘…。」


「俺は嘘は言わないんじゃなかったの?」


「………。」


「…まあ、とにかく…あっち行こう。帰るなら、花火見てからでも遅くはないだろ。」


「…うん。」




俺は…


今度は反対の手で、加藤の浴衣の袖をひいた。



それは手を繋ぐよりも、もっともっとドキドキして……


それはそれは、甘酸っぱい何かが込み上げてきた。




遠くで…



花火の音が聞こえた。







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