Special Edition
「ゆの、ごめんな?ちょっと行って来る」
「あっ、…………はい」
心配そうに見つめるゆのの手をギュッと握り、
俺はカメラを向けるその人物の元へと歩み進めた。
「すみません。先程の写真だけは載せないで貰えますか?」
「…………それは……」
俺の凄味のある視線に一瞬たじろいだカメラマン。
ここで引き下がる訳にはいかない。
だって、さっきは完全にプライベート全開の俺らだったから。
「写真なら撮って頂いても構いませんが、先程の写真だけは消去して下さい」
「どうして、そこまで拘るんですか?」
「妻はまだ学生です。公の場に立つ事自体控えたい所ですが、立場上仕方なく連れています。ですが、先程の写真は、完全にプライベートだったので………。申し訳ありませんが、この場で消去して下さい。万が一、雑誌等に掲載された折には、名誉棄損で訴えます」
俺は真摯にそう告げた。
こればかりは譲れない。
だって、ゆのの生活がかかっているのだから。
「………解りました」
渋々承諾したカメラマン。
俺の目の前で写真を消去してくれた。
「家元」
「はい」
「交換条件と言ったら卑怯かもしれませんが、自分も生活がかかってるので、奥様との馴初めも踏まえた特集を書かせて下さい」
「………馴初めですか」