Special Edition
白髪交じりの恰幅の良い男性が、あの有名な陶芸家・藤雪?!
メディア嫌いで有名で普段は山奥に籠っていると噂の……。
昔、ご隠居の屋敷の床の間に飾られていたあの花器を作り出した人物。
世間では値が付けられないと言われるほどの腕を持ち、
決して注文は受けないと言われている。
だからこそ、余計に彼の紡ぎ出した作品を手に入れたくて、
巷では億単位の金額が動くと言われている。
そんな人物に出逢えた事に感激すら覚え、
その彼が自分の事を知っていた事に驚愕した。
「あっ、えっ……と、その……」
呂律が回らなくなるのも無理はない。
こんな凄い人物に、
生きているうちに出逢えた事に震えが止まらない。
「……隼斗さん?」
「………ん」
ゆのの声にも空返事で、俺は目の前の人物に釘付けだった。
すると、
「蘭清とは古くからの友人でね、君のお祖父さんとも良くして頂いている」
「……そうなんですか?」
「あぁ。先日、蘭清から今日の祭典に君達夫婦が来ると聞いて、妻を引き連れて山を下りて来たという訳だ」