青い星〜Blue Star〜





「てめぇ……黙って聞いていりゃ好き勝手言いやがって……六年後に新八っつぁん以外死ぬだと?寝言は寝て言え!!」




そうか。

こちらが本来の彼の言葉か。

沖田総司は江戸生まれ、江戸育ちだからな。

と妙なところで納得する。


が、うかうかと暢気に構えている場合でもない。

目の前の彼は本気で怒っている。

だが、奏も元来短気。

向こうがキレたらマジギレするタイプである。




「そうだな、すまん、訂正しよう。山南さんは2年後、藤堂さんは4年後、井上さんと近藤さんと原田さんと沖田さんは5年後、土方さんは6年後だ。」




総司は奏の胸ぐらを掴み引き上げた。
そのまま右手一閃。

総司の平手が奏の頬をとらえた。
拳でなかったのは彼なりの手加減か。


避けようと思えば避けれたが、一発くらいは甘んじて受けようと思った。


畳みに顔から突っ込み額をしたたか擦りむいた。


まだ掴みかかろうとする総司に金縛りが溶けたように周りの男たちは制止する。




「やめろ!総司!」



「放してくれ!トシさん!俺はもう一発くらいぶん殴らねぇと気がすまねぇ!」




馬鹿力て制止を振り払うと再び奏の胸ぐらを掴み、今度は拳で殴った。

血の味がする。

二発目は倒れず踏み止まった奏は総司の顔を殴った。




「目には目を、歯には歯を。平手一発は甘んじて受けよう。だが、沖田総司。おなごの顔を拳で殴った罪は重いぞ。」




見事に腫れ上がった頬を押さえながら奏は腰を下ろした。




「人の話は最後まで聞けっつーんだ。江戸っ子はそれも出来ないくらい、せっかちなのか?私だって極悪非道の鬼じゃないんだから死の宣告をして丸投げするわけないだろ。むしろ、自分達の先が判った今、それを回避するために何をすべきか考えるくらいの積極性くらいあってもいいと思うのだが。」




奏のもっともな言い分にぐぅの音が出ないとは、まさにこの事である。

総司はまだやや不満げだったが腰を下ろした。



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