もしも愛が買えるなら
あたしは仕事中なのも忘れて、何度も何度もリョウを見つめた。

マジ、ステキ! 最高!

あのオバサンとは、どういう関係……?

遠くからリョウのテーブルを見つめながら、二人の関係まであれこれ想像した。

二人は親子とか親戚には見えなかった。

なんか雰囲気がネットリ甘くて。

ちょっとイヤらしくて。

見つめ合ったり微笑み合ったりする二人を見ながら、あたしは何だかモヤモヤした。

オバサンが化粧室へ消えた時……

リョウはあたしに向かって片手を上げた。

ドキドキしながら彼のテーブルに向かったあたし。


「お水、くれる?」


リョウに言われ、あたしは新しい水をグラスに注いだ。

そして注ぎ終わったとき、リョウから紙切れを渡された。

二つ折りしたメモを!


< 7 / 57 >

この作品をシェア

pagetop