もしも愛が買えるなら
ドキッとしてリョウを見たけれど、リョウはあたしを見ようとしない。

何事もなかったようなクールな顔で、水を飲んでいた。

あたしは厨房に戻り、こっそりメモを開いてみた。


『キミに一目惚れした。もし良ければメールしてね。』


その言葉の下には携帯のメールアドレスと、『水城リョウ』の名前。

マジ? あたしに一目惚れ……?

超嬉しい! 嬉しすぎるよ!


その日のあたしは、仕事どころじゃなかった。

リョウのことが気になって気になって。

早くメールしたい!

その気持ちでいっぱいで、一刻も早く仕事を終えたかったんだ。




< 8 / 57 >

この作品をシェア

pagetop