君への小さな想いを掲げて *a sequel*
彩はため息をつきながら、私に洋服を着せ始める。
彩だってもう準備万端なのにこうやっていちいち私の世話をしてくれる。


やっぱり頼りになる幼馴染。
そして、この業界の先輩だ。

「よっしゃ。おっけ。行くよー!」

着替えさせるのが早い彩に驚きつつも後ろを着いていく。
ここからは、凡人高野瀬希凛じゃなくて、モデル高野瀬希凛。

心の中でスイッチを切り替えた。

「おっ。オッケーオッケー2人ともいい感じ。じゃーポーズ撮ってー。うんうん、仲よさげに」

カメラマンさんにいわれたとおりに彩と手を握って微笑み合う。

「うんうんいーねいーね。抱きついちゃってー」


来ました!といわんばかりに彩が私に抱きつく。
私も彩に抱きつき万遍の笑みをカメラに向ける。

楽しい。
本当に楽しい。

だから、モデルはやめられない。

「おっけー。じゃあ次は、靴とトップス…あーそれとカーディガン替えてきて」

「はい」

その服の撮影が終わり、急いでメイク室に戻る。
忙しく服を着せ替えて、またスタジオに戻る。








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